登録販売者になるためには、登録販売者資格試験を受験し、合格する必要があります。
では、この試験自体は簡単なのか?それとも難しいのか?
今回は、登録販売者試験の難易度、試験に合格するためのプロセスなどについて解説していこうと思います。
登録販売者ってぶっちゃけ簡単なの?難しいの?
- 合格率は40〜50%
- ある程度の勉強時間を確保しないと合格できない
- カタカナの成分名や作用機序を覚えるのが大変
どの試験でも同じことが言えますが、簡単に受かる資格試験はそうそうありません。
登録販売者の試験も、例年合格率は40〜50%程度です。
この数字だけ見ると、とても難しいように思えますが、試験の合格基準は7割合格。つまり、全120問中84問以上正解できれば合格なのです。
また、この試験は多くの社会人が働きながら勉強して受験しているような試験です。もちろん、受験者の中には学生や主婦の方もいらっしゃいますが、普通に会社で働いている社会人の方も多く受験されます。
何が言いたいかというと、働きながら勉強して合格ができるくらいには簡単であるということです。
とはいえ、仕事の日も休みの日も少なからず勉強しなければ、合格はできないと思いますが。
こればかりは、やる気の問題になってしまいます。
しかし、勉強すれば独学でも合格できる試験です。
では実際に勉強するとなったら、どのように勉強していけばいいのでしょうか?
それは、次の『5つのステップ』が合格までの道筋になります。
登録販売者を簡単に合格するための5STEP
- 過去問をダウンロードする
- ひたすら解く
- 分からない専門用語を調べる
- テキスト・問題集を解く
- 過去問で合格点が取れるラインまで仕上げる
STEP1 過去問をダウンロードする
まずは自分の受ける地域の過去問をダウンロードしましょう。
過去5年分くらいあるといいと思います。ダウンロードしたら、両面印刷して解ける状態にしておきましょう。
この時、片面印刷にしてしまうと大量の紙を必要とするので、「A4横向き2in1両面印刷」で印刷することをおすすめします。
文字が小さくて見えないという方は、普通にA4縦向き両面印刷でいいと思います。
とにかく、過去問を解ける状態にしておいてください。
参考までに、東京都の登録販売試験過去問ページを載せておきます。
みなさんも自分の受ける都道府県のページを検索して、過去問を手に入れてください。
東京都 登録販売試験についてhttps://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/
STEP2 ひたすら解く
とにかく問題を解きまくりましょう。
え、用語も何も知らないよ!
解けるわけないじゃん!
そうですね。最初は全く解けません。まぐれで正解できるかな?
と言った程度でしょう。
でも、それでいんです。
というのも、登録販売者試験は例年出題傾向が似ています。
毎年、似たような問題が言い回しや解答する箇所を変えて出題されることが多いため、過去問を解くことで問題の出題傾向を把握することができます。
そして、出題傾向が分かれば、後はその範囲の内容や言い回しを理解して覚えて仕舞えば問題を解くことができます。
もちろん、過去問を1回だけ解いても理解できないし、覚えることもできません。だからこそ、同じ過去問を何度も解いて合格点を目指しましょう。
問題の答えを暗記するレベルまで解きなおせたらいいですね。
STEP3 分からない専門用語を調べる
とはいえ、流石に言ってる用語の意味を知らないと解けなさすぎて段々勉強がつまらなくなります。
そこで、分からない専門用語などは積極的に意味を調べましょう。
人は最初から答えを与えられるより、自分で疑問に思ったことを調べて答えを得る方が記憶に残ります。
つまり、最初から参考書などで用語を知るより、「この言葉の意味は何なのか?」と一度疑問を持つことで、自分の中にその言葉に対して疑問を持ったことがあると記憶され、より記憶に定着しやすくなります。
ただし、この「調べる」という行動はとても労力を使います。途中で飽きてしまったり、面倒だと思うかもしれません。
しかし、中々用語が覚えられない、暗記は苦手だという人にとって、案外覚えやすい方法だと思います。
学生のころ、テスト勉強の時に理科でフレミングの左手の法則や右ねじの法則を覚えるために、手を使って覚えませんでしたか?
あれも、手を動かす「行動」とその手が示す「意味」を覚えたからこそ問題が解けたのです。
つまり、何かしらの行動と合わせて意味を覚えると、意外と覚えられたりするものです。
専門用語も同じです。
例えば、去年の問題でAという用語がわからなかったから調べた。また別の問題でAという用語が出てきたが、去年の問題で分からなかったから調べた用語だ。と分かれば、その時調べた意味まで思い出しやすくります。
頭だけで覚えられないのであれば、体も使って覚えていくのがいいですね。
STEP4 参考書・テキストを解く
これだけ過去問使って自力で頑張れと言っておきながら、結局参考書使うんかい!
と思った方もいると思いますが、まあそう言わず。
最初に過去問を解いて傾向を知っておくことで、自分の苦手な分野、理解できない分野を把握することができたと思います。
そして、わからない分野が分かったのであれば、後はそこを潰すだけです。
過去問を解いて、専門用語も調べた上で、それでも分からなかったら問題解説が載っている本に頼るしかありません。
でも逆に言えば、「自力で調べても理解できなかった」という経験から次同じような問題が来ても「あの時わからなかった問題」と認識でき、その問題に対する対策はテキストで完璧。
まさしく、死角なし。
要するに、参考書やテキストは本当に自分の苦手な部分を埋めるための道具であり、テキストを買ったからといって合格するわけではありません。
使い方は人それぞれですが、テキストの1ページ目から順番に読むよりも自分はどの分野が特にできないのか、全部苦手だけどそれならまずはどの分野からできるようにしていこうか。
そうやって自己分析を済ませ、該当箇所の部分からテキストを読み進めていく方が効率がいいです。
よく参考書やテキストを買ったら、最初のページから始めなければならないと思っている方もいますが、そんなことはありません。
むしろ、自分の苦手なところや興味のあるところから始めたり、自分の解いた問題に対応する解説部分を読んでいく方がモチベーションを維持できたり、理解がしやすかったりします。
参考書やテキストはあくまで「おまけ」の位置付けとして、自分に合った方法で活用していきましょう。
おすすめの参考書・テキスト集の記事を載せておきますので、ぜひ参考にしてみてください。
STEP5 過去問で合格点が取れるラインまで仕上げる
最後です。
ここまで来たら、後はひたすら解き直しを繰り返して合格点を目指しましょう。
結局、内容が理解できていなければ問題は解けません。
できる限り同じような問題を解いて、問題文の理解を深めましょう。
また、同じ過去問を何度も解く理由は問題文の理解だけではありません。最初の方でも記しましたが、登録販売者試験の問題は例年類似問題が多く出題されます。
よって、過去問を解けるようになれば問題傾向を把握した試験対策ができるだけでなく、本当に覚えておくべき重要な部分をピンポイントで覚えることができます。
テキストや参考書では、満遍なく知識をつけられるよう細かい部分まで覚えさせようとしてくるため、最優先で覚えるべきポイントがどこなのかを把握しにくいです。
しかし、最初から過去問を解いていれば頻繁に出てくる問題を知ることができるため、最初に重要な箇所を覚えた上でテキストなどを用いて細部の知識をつけることができます。
だからこそ、過去問の解き直しは重要なのです。
また、自分の受験する地域だけでなく、他の地域の過去問もダウンロードして解いていくことでより幅広い問題傾向対策を取れるようになります。
最低限、自分の受ける地域の過去問はやってほしいですが、余裕があれば近隣の地域の問題やその他の地域の過去問も解いてみてください。
登録販売者の資格を勉強する上での注意点
合格するための5STEPを書いてきましたが、あくまでこれは大まかな勉強方法の流れでしかありません。
実際に勉強しようと思ったら、解き方以外にも注意すべきポイントがあります。
この注意点を知っておかないと、いざ始めたとしても上手くいかず、途中で挫折してしまうかもしれません。
そうならないためにも、あらかじめ気をつけておくべき注意点を把握して勉強に取り組んでみてください。
①意外と覚えることが多い
「わからない用語はその都度調べましょう」
とサラッと書いていますが、実際わからない用語だらけだと思います。
特に、学生時代に人体や化学の分野をあまりやってこなかった方は、まず臓器の名称や成分名を覚えるところから始めるため、普段馴染みがないからこそ覚えるのに時間がかかることが予想されます。
一度理解して覚えてしまえば、後は覚えたことを応用して他の用語を覚えていくことができるため、ものすごい大変というわけではありません。
実際、大学で文系だった方でも試験を1回で突破している方もいらっしゃいます。だから、決して文系だから無理と諦める必要はありません。
文系だろうが理系だろうが、大学に行っていなかろうが覚える内容は一緒です。
もはや覚えたものがちなので、根気強く覚えていきましょう。
②漢方・成分めいが覚えにくい
登録販売者試験1番の難所と言ってもいのが3章の「主な医薬品とその作用」の分野です。
ここは、いかに成分名とその作用を覚えられるかが勝負となてきます。
3章は医薬品の成分名というだけあって、問題文には解熱作用の成分はどれか、体力虚弱の人が使用できる漢方はどれか、など覚えていないと解けない問題が多数出てきます。
登録販売者の試験なので、ここが一番重要な分野ではあるのですが、何せカタカナの成分名や普段馴染みのない漢方は覚えにくいです。
こればかりは、自力で頑張って覚えていく他ありません。3章の対策として成分名の覚え方の語呂合わせなどをYouTubeでまとめている方もいるので、検索して参考にしてみるのもいいと思います。
この成分名などは、一朝一夕で覚えられるものでもないので毎日コツコツと覚えていくことをお勧めします。
③ダウンロードした過去問に一切解説がない
各地域のホームページに過去問のダウンロードページがありますが、この過去問の解説はどこにも公式には発表されていません。
参考書などを購入すれば、過去問の解説がついている場合もありますが、都道府県のホームページにはありません。
よって、過去問をダウンロードして解いても、正誤はわかりますがなぜその答えになるのかというプロセスは説明してくれません。
だからこそ、自分で調べて納得するしかないため調べた内容は頭に残りやすくなるのですが、最初のうちは苦行でしかないと思います。
本当にその考え方で合っているのか、答え合わせをしてくれる人や物がない状態は不安しかありません。
そこを乗り越えて勉強できればとても強いのですが、そうそうできることでもないので、テキストや参考書を1冊でも買っておくことをお勧めします。
【実体験】筆者が合格するために工夫したこと
- 1分野ずつ解いていった
- 過去問を繰り返し、できない問題は間違えた回数もカウント
- どこが違うのか自分で解説作成
- 成分名などは声に出して暗記
①1分野ずつ解く
参考書やテキストは大体1章から順番に書いてありますが、2章の分野がやりたいと思ったら、構わず2章から始めました。
その方が自分のやる気を維持できるし、その分野を極めることにもつながります。
ただ、これはお勧めしませんが、3章をやりたくなさすぎて避けていたら見事に解けなかったので、代わりに1・2・4・5章を極めました。
それでも合格はできますが、試験中の落ち込み具合が酷かったので、皆さんはぜひ3章の暗記から始めて解けるようになってください。
②過去問を繰り返し、できない問題は間違えた回数もカウント
私は過去問を解いて答え合わせする際に、間違えた問題に正の字を書いてその問題を何回間違えたかを数えていました。
こうすることで、どの問題を自分が苦手としているのかをより正確に把握することができます。
中にはしっかり5回間違えた問題もあったため、いい加減覚えろよと思いながら覚えていました(笑)
③どこが違うのか自分で解説作成
これは特別解説用ノートなどを作っていたわけではありませんが、なぜこの問題の答えはこれになるのか説明できる程度に自分の中で理解をしていきました。
この解説作成は紙に書き起こさず、自分の頭の中にあればそれで十分です。
いちいち解説ノートなんて作っていたら、時間がもったいないですからね。
ただ、書いた方が覚えやすいという方は作ってもいいと思いますが、自分が理解できれば十分なので綺麗にまとめる必要はありません。学校のように提出するわけではないですからね。
自分がその説明を聞いて、誰でも理解できると思える説明ができればOKです。
④成分名などは声に出して暗記
私は書いて覚えることが苦手です。
なぜなら、書いて満足して覚えないからです。
こうなるのであれば、書かずに声に出して目と耳を使って覚えた方が効率がいいです。
よく寝る前に暗記をしたほうがいいと聞きますが、私は気づいたら寝ていた人間なので仕事の休憩時間や通勤時間を使って暗記をしていました。
流石に会話の音量で声は出せないので、一人でぶつぶつと念仏を唱えるかのように暗記をしていました。
まとめ
今回は独学でも資格が取れる勉強方法について解説していきました。
社会人として働きながらでも、勉強をして資格を取得することは可能です。
自分に合ったやり方を見つけてどれだけ取り組めるかが鍵になってきます。
やるからには全力で!
頑張っていきましょう!